つくば心療内科クリニック分院

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【コラム】日常の中にあるストレスのもとを考える

2022/07/08 更新

皆さん、ストレスはありますか?
皆さん「たくさんあるよ!」と答えられると思います。

ストレスについて振り返るとき、ストレスのもととなる「ストレッサー」とそれによってもたらされた「ストレス反応」に分けて考えることが大切になります。

では、どのようなストレッサーがありますか?
「最近転職をした」「自分や家族が病気をした」「子供が巣立った」など、人生での大きな変化をあげる方が多いのではないでしょうか。

ストレスのもとであるストレッサーは環境や状況を指します。ストレッサーにはいろいろな種類があり、病気になった、仕事を失ったなど、ネガティブな出来事はライフイベントに分類されます。
一方で、ストレッサーにはデイリーハッスルというものがあります。日本語では日常の些細ないらだち事と言います。日々の生活の中でわざわざ気に留めるまでもないけれどもちょっと引っかかることのことです。例えば、満員電車、朝の子供の支度がスムーズにいかない、同僚にあいさつをしたけれど返事がない、探し物が見つからない、などです。
心療内科に受診している方のストレッサーについて、ライフイベントとデイリーハッスルの影響を比較している調査があります。結果は、デイリーハッスルを経験した患者さんの方がライフイベントを経験した方よりも悪影響が多いことがわかりました。(Lazarus & Cohen (1977)、 Kanner Coyne,& Lazarus (1981))
誰でもストレスと感じる大きな出来事があると、「大変なことがあったからちょっと気を引き締めないと」と思いやすい。けれど、日常の些細ないらだち事についてはいつものことなので、わざわざケアしようとは思わないために、少しずつ蓄積され、気付いた時にはその影響をたくさん受けてしまうのかもしれません。
 何かあったわけではないけれどいつもの調子ではない、というとき、日常の些細ないらだち事について目を向けてみると、そこから抜け出すヒントが見つかるかもしれません。ストレスケアの方法の一つとして使ってみてください。

参考文献
Lazarus, R.S.,& Cohen,J.B. 1977 Environmental Stress.In Attman,I.,& Wohlwill,J.F.(Eds.) Human Behavior and Environment,Current Theory and Research,2,New York: Plenum.
Kanner,A.D.,Coyne,J.G.,& Lazarus,R.S. 1981 Comparisons of two modes of stress measurement: Daily hassles and uplifts versus major life events.Journal of Behavioral Medicine,4,1-39
(カウンセリングルーム・ポラリス研究学園 臨床心理士・公認心理師 藤沢)

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